天王寺というところは門前町としての歴史も古く、いわゆる「てんのじさん」として有名なお寺は、正式には「四天王寺」というのです。天王寺はここの通称、略称だったのですが、南北朝の頃に地名としてもすでに定着していたようです。現在、大阪市を構成する区には「天王寺区」と「阿倍野区」が存在するわけですが、両者を合わせての地域名称として「天王寺」あるいは「阿倍野」という呼び方が使われているのが現状です。
もちろん阿倍野の場合と同様、行政区分の天王寺区に存在するなら、それは天王寺の賃貸であると分類することも可能です。ですが一般的には、やはりJRや地下鉄の天王寺駅周辺をイメージする人が多いのではないでしょうか。物件を借りる側としては、住環境や交通アクセスを優先的に考えるわけですから、阿倍野だろうが天王寺だろうが、実はそれほど厳密に区別する必要はないのかもしれませんが、各種手続きは、やはりそれぞれの区役所で行わなくてはなりませんね。
地元の人はともかく、県外、他の地方の人が「大阪」をイメージする街といったらどこでしょう。道頓堀や大規模電気街を擁するミナミの繁華街でしょうか、あるいは商都大阪のステータスとも呼ぶべき船場界隈でしょうか。いえいえ、大阪のアイコンといえば大阪城ともうひとつ、通天閣でしょう。となると、ここはやっぱり天王寺なのです。かつて大阪城がその巨大な威容を誇っていた昔、天王寺は大阪城に連なる寺町として栄えた文化の街だったのです。また、摂津の国と和泉の国を繋ぐ交通の要衝としても、歴史上重要な位置を占めたのが天王寺でした。
現在の天王寺は都心の上質な住宅街として、計画的に整備された高層マンションが並び立つベッドタウンとなっています。一方で天王寺地区や上本町にはオフィスビルやショッピングモールがずらりと並ぶ一大商業地域を形成しています。阿倍野と並んで、この地域だけで生活に必要な何もかもが揃ってしまうという、たいへん暮らしやすい土地でもあります。また、市内有数の文教地区としても優れ、交通の便の良さと相まって、近年急激に人口が増加しつつあるのが天王寺なのです。
天王寺の賃貸はそうした事情もあって、比較的築年数の新しい物件が多く存在し、また、まだまだ家賃の方もお安い状態がキープされていると言えるでしょう。阿倍野と合わせ、このエリアの物件は今がお徳、と断言して差し支えないと思われます。